もはや月初めの恒例行事と化した商品の値上げ。4月1日の値上げはエイプリルフールにしてほしい!と思いましたが、残念ながら4月も数多くの商品が値上げされました。
その中でひときわ注目されているのがチョコレートの値上げです。
チョコレートは老若男女好きな人が多く、日本でも人気がありますよね。
これまでもバターや冷凍食品など、日常生活に大きな影響のある値上げが発表されました。
それらも話題にはなりましたが、チョコレートは値上げ当日から話題になっています。
チョコレートの値上げについての理由、チョコレートの値上げが長期化される理由について本記事では紹介します。
チョコレート値上げの原因は世界的な不作
チョコレートの値上げについて最も大きい理由は世界的なカカオ豆の不作です。
チョコレートの原料はカカオ豆です。カカオ豆は西アフリカで多く栽培されています。
特にガーナは世界のカカオの6割以上を供給している主要国です。
このガーナが様々な理由によって栽培量が激減し、カカオ豆が不作、カカオ豆で作られるチョコレートの値上げにつながった形です。
つまり今回のチョコレートの問題は、世界的なカカオ不足が生じているということでもあります。
ガーナ不作の様々な原因とは?
ガーナが不作に陥った原因とは実はいくつかあります。主な原因を紹介します。
- 気候変動
- カカオを枯らすウイルスの急速な蔓延
- 金の違法採掘業者の横行
気候変動
ガーナ不作の原因に気候変動が挙げられます。
気候変動は1年で突然起こるわけでは無いので、徐々に変動していった結果なのですが、今年もガッツリ気候変動の影響を受けました。
依然と比べて大雨の時期が集中するようになり、カカオ豆が不足してしまっています。
カカオ豆はコーヒー栽培の地域より温暖な場所で良く育つので、蒸気量が多いんですが、それが賄えるだけの雨量がありました。
ただその雨量はスコールのような突然の大雨などではなく、一定の調子で十分な雨量が確保されていた為成立していた栽培でした。
その為、気候変動による偏った雨量ではカカオ豆が十分に育たず、気候変動が原因でカカオ豆不作になってしまっています。
カカオを枯らすウイルスの急な蔓延
カカオを枯らすウイルスが現在ガーナのカカオ豆に急速に広がっています。このウイルスをカカオ膨梢ウイルスと呼称されますが、次いで生産量の多いコートジボワールでも同じように広がっています。
カカオ膨梢ウイルス( は、主にカカオの木に感染するカリモウイルス科の植物病原性ウイルスです感染後1年以内にカカオの収量が減少し、通常は数年以内に木が枯れてしまいます。症状は株によって異なりますが、一般的に葉の変色、茎・根の肥大、立ち枯れなどが起こります。このウイルスは、コナカイガラムシを媒介して木から木へと伝染します。 1936 年にガーナで初めて発見され、現在はトーゴ、ガーナ、ナイジェリアで風土病となっています。 [1] すでに 2 億本以上の木がこの病気によって被害を受けており、ガーナはウイルス性植物病に対して、世界のどの国よりも野心的で費用のかかる根絶活動を開始することになった。 [1]
ウィキペディアより引用
カカオ膨梢ウイルスに感染すると、数年以内には木が枯れてしまう恐ろしいウイルスです。これが急速にガーナ農園に広まり、多くのカカオの木がウイルスに感染して収穫できなくなってしまいました。
まだカカオ豆の収穫前の木にも感染している可能性があり、今後の供給量も増えることはないとされています。
金の違法採掘業者の横行
一番の原因だと個人的に思うのが、金の違法採掘業者の横行です。
彼らは勝手にカカオ農園に入り込み、地中に埋まっている金を採掘するため、カカオ豆の木を根こそぎ切り倒してしまいます。そして金を掘り起こしたら次のカカオ農園へ金を求め姿をくらますそうです。
金を採掘するのだから、いろんな機械が必要になりますよね。日本ではきちんと排水や有毒物質の処理の規則が設けられていますが、ガーナの違法業者はカカオ農園中に放りっぱなしで次の農園へ金を採掘しに向かいます。
荒らされたカカオ農園はいたるところに違法採掘業者がばらまいた有毒物質だらけになり、カカオ農園自体が無くなってしまっていることが多発しています。
中には、いずれ自分のカカオ農園も荒らされてしまうだろうと思い、違法採掘業者にカカオ農園を売却したり、転職するカカオ農家も増えているそうです。
チョコ値上がりの長期化の真相はカカオ豆ができるまでの期間にある
チョコレートの値上がりだけ長期化する恐れがある理由は、カカオ豆が育つまでに3~4年ほどかかる為です。
今回のガーナの件の解決策はまだ見つかっていません。さらに元気そうに見えるカカオの木もすでにウイルスに感染している可能性もありさらに悪化するとされています。
土壌は違法な採掘業者の有毒物質に汚染されています。
ただでさえ収穫に3~4年の年数が必要なカカオ豆がこの土壌で健康に育つかは疑問が残ります。
その為、主要国の不作は今後数年単位で必要となる為、チョコ値上がりの長期化が予想されているのです。
将来のチョコ主要国は南米?
ガーナが壊滅的な状態にある中で、まだウイルスが蔓延されておらず、同じ気候の場所があります。
それは中南米です。
既にカカオ農園事業に着手しているところもあるらしく、このままガーナが復活せず中南米での栽培がうまくいけば、将来のカカオ豆の主要国は南米になる可能性があります。
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