今回の記事は、
ディズニーで有名になったラプンツェルの話について紹介します。
2024年6月6日、東京ディズニーシーに新たな新エリアが誕生しました。
『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』をテーマにした3エリアが広がる新テーマポート「ファンタジースプリングス(Fantasy Springs)」
どれも超有名で人気なディズニー作品ですよね。
今回はその中の1つである「塔の上のラプンツェル」について調べてきました。
「塔の上のラプンツェル」はグリム童話の1つとして原作があります。
グリム童話はたいてい過激な描写があり、時代に合わせお話をマイルドに仕立ててきました。
その結果が今のディズニー版「塔の上のラプンツェル」です。
ということは逆行して「ラプンツェル」の初版版はどんなお話だったのでしょうか?
今回はディズニー版「塔の上のラプンツェル」と原作版「ラプンツェル」の違いを比較してみました。
※ここから先は初版版「ラプンツェル」を忠実にもとにした内容を紹介します。過激な描写があるのでディズニーのラプンツェルのイメージを崩したくない方はブラウザバックしてくださいね。
【結論】ディズニー版と原作との違い一覧
- ラプンツェルの生まれ
- 金色の花
- ラプンツェルが魔女の手に渡った経緯
- フリンの身分
- フリンと出会った年齢
- 塔を出たきっかけ
- ゴーテルとの闘い
- ゴーテルの最期
- 物語の結末
ラプンツェルの生まれ
いきなりショックな内容かもしれませんが、ラプンツェルの生まれについて違いがあります。
塔の上のラプンツェル | ラプンツェルの生まれ |
---|---|
ディズニー版 | 王女 |
原作版 | 一般人 |
原作ではただの一般夫婦の間に生まれる子どもとしての設定になっています。王女ではありません。
後述しますが、原作ではフリン役の方が王子様の設定になっています。
金色の花
塔の上のラプンツェル | 金色の花 |
---|---|
ディズニー版 | 金色の花 |
原作版 | 魔女が育てたラプンツェルという野菜 |
ディズニーのラプンツェルでは、若さを保て美しい歌声になることのできる魔法の花「金の花:が登場します。
ラプンツェル出産前に王妃が病になってしまったことがありました。その時にこの金の花を水に浮かべた飲み物を飲ませたら病が治り、特別な力を持ったラプンツェルが生まれるのでしたね。
原作版だと花ではなく魔女がもともと育てていた野菜のことになります。
そしてその野菜の名前が「ラプンツェル」なんです。
キャベツ、ニンジン、ラプンツェルみたいに作物の1種として育てられていました。
原作版でも妻が出産前に病になります。そこで夫がこっそり魔女の畑からラプンツェルを盗んで妻に与えるという流れです。
ラプンツェルが魔女の手に渡った経緯
ただの一般夫婦のもとに生まれるラプンツェルですが、出生に至るところから魔女の手に渡った経緯が違います。
塔の上のラプンツェル | ラプンツェルが魔女の手に渡った経緯 |
---|---|
ディズニー版 | 誘拐される |
原作版 | 妻とラプンツェルの命と引き換えに取引に応じる |
ディズニー版では、魔女のゴーテルがお城に忍び込んでラプンツェルを誘拐しますよね。
原作はというと、魔女と夫との取引で成立した合意のもとラプンツェルは魔女の手に渡ります。
それは夫が魔女の畑からラプンツェルを何回か盗みに来た時の出来事でした。
ついに魔女に盗んでいるところを発見されてしまいます。
事情を話すと魔女は「ラプンツェル(野菜)をいくらでもくれてやるから、その代わり生まれた子どもをよこせ」という話を持ち掛けます。
その勢いとラプンツェル(野菜)が無いと妻が死んでしまう可能性があることから、夫はしぶしぶこの条件を受け入れます。
そして無事ラプンツェルが生まれた後、約束通り魔女の元に引き渡してしまいます。
フリンの身分
続いてはフリンの身分についてです。ここも大きく違ってきます。
塔の上のラプンツェル | フリンの身分 |
---|---|
ディズニー版 | 孤児で大泥棒 |
原作版 | 王族の王子様 |
なんと原作版は白馬の王子様的ポジションなんです。
ディズニーのラプンツェルが王女だったのと真逆です。
原作ではラプンツェルが一般人でフリンが王子様です。
フリンと出会った年齢
塔の上のラプンツェル | フリンと出会った年齢 |
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ディズニー版 | 18歳前後 |
原作版 | 12歳前後 |
原作版だとラプンツェルはたったの12歳です。
日本で言うと小学6年生くらいのときにフリンと出会います。
塔を出たきっかけ
塔の上のラプンツェル | 塔を出たきっかけ |
---|---|
ディズニー版 | 外の世界を見たくなった |
原作版 | 魔女に追い出される |
原作版では魔女に追い出されます。理由は魔女の逆鱗に触れたからです。
その逆鱗とは、ラプンツェルの妊娠が発覚したためです。
もちろん相手はフリンポジションの王子様です。
王子様とラプンツェルの関係
そもそも王子様がラプンツェルを見つけたのは、森の中から聞こえる美しい歌声でした。
それに誘われて塔の上にラプンツェルがいることが分かります。しかし登って会いに行く方法が無い。
しばらくすると、魔女がやってきてラプンツェルに話しかけます。
「私が来たよ。塔の中に入るからいつものように長い髪をおろしてくれ。」
すると塔からラプンツェルの長い髪が地上に降りてきました。
その髪を使って上手に塔へ登っていく魔女。
一部始終を見ていた王子様は、魔女の声真似をして、ラプンツェルに髪をおろしてほしいと頼みます。
ラプンツェルはまんまと騙されて髪をおろしてしまいます。
登ってきた相手が魔女ではなく見ず知らずの男性だとわかり驚きこそすれど、2人は意気投合。
そして夜な夜な王子様はラプンツェルにあいに来るのでした。
あるときラプンツェルが魔女に急におなかが張り出した、洋服がきつくなったと相談します。
世間知らずのラプンツェルはそれがどういうことかわかりませんでしたが、魔女はすぐにラプンツェルが妊娠したことを案じます。
怒り狂った魔女はラプンツェルの髪を切り落とし荒野へラプンツェルを置き去りにします。
そしてその荒野でラプンツェルは双子を出産します。
というような壮絶な原作の内容でした。
ゴーテルとの闘い
塔の上のラプンツェル | ゴーテルとの闘い |
---|---|
ディズニー版 | ラプンツェルの髪の効果が切れ老化し、塔の上から落ちる |
原作版 | 王子様が塔から落とされ失明する。魔女には何もなし |
ディズニー版ではきっちり退治されてしまうゴーテルですが、原作では特にこれと言った罰を受けていません。
逆にフリン役の王子様が魔女によって失明してしまいます。
ラプンツェルを荒野へ捨てた後に王子を待ち構える魔女
王子様との妊娠が分かり、ラプンツェルを荒野へ追放した魔女。
夜な夜な王子がラプンツェルに会いに来ていたことを知って、魔女は切り取ったラプンツェルの髪の毛を使って王子を塔の上まで誘い込みます。
何も知らずラプンツェルへ会いに上ってきた王子様。待ち構えた魔女によってラプンツェルは荒野へ追放したことを伝えます。そして絶望の中にいる王子を塔から突き落とし、その勢いで王子は両目が飛び出し失明してしまいます。
ゴーテルの最期
塔の上のラプンツェル | ゴーテルの最期 |
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ディズニー版 | 塔の上から落ちておそらく死亡 |
原作版 | 何もなし |
原作では王子様が失明した以降、特段魔女のことが書かれていません。その為、なんのお咎めも無かったことになります。
一方ディズニー版では今までごまかしていた年齢が魔法が溶けることによって一気に廊下し、塔から落ちてしまいます。
物語の結末
塔の上のラプンツェル | 物語の結末 |
---|---|
ディズニー版 | ラプンツェルの王国へフリンと戻り結婚する |
原作版 | 奇跡的に再開し失明した目も回復、その後王子の王国で結婚する |
ディズニーも原作も結末はハッピーエンドを迎えます。
原作版で塔から落下し失明した王子がどうやってラプンツェルを見つけ結婚したかについて詳しく紹介しましょう。
奇跡の再開!奇跡の涙!
失明した王子様は森の中をただラプンツェルを探すだけにやみくもに探すのでした。そしてたまたまラプンツェルに出会い再開を果たします。
そして失明した王子様を見て涙するラプンツェル。その涙が王子に落ちるとなんと失明した両目が見えるようになりました。
ご都合まさに二人は奇跡の連続でこの困難を脱し、幸せに暮らしました。
まとめ
いかがでしたか?
グリム童話の原作ラプンツェルをそのまま翻訳するとなると、性的描写や暴力シーンが過激すぎますよね。
ラプンツェルという野菜ではなく金色のお花にしたこともなんともロマンチックでディズニーらしいと思いました。
グリム童話の中では珍しく、悪さをした方(今回でいう魔女)に天罰が下ることが無かったのが珍しかったです。
例えば白雪姫では、毒リンゴで命を狙ったお妃様は熱せられた鉄の靴を履かされて白雪姫の結婚式で死ぬまで踊らされます。
このような描写が少なく、ハッピーエンドで終わるという共通事項まであったラプンツェルでした。
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